エッファタ! 教会共同体のろう者

型番:4487750211

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商品の詳細

  • 教皇庁 保険従事者評議会 著 /日本カトリック聴覚障害者の会 訳

  • 224ページ /A5判 並製(ソフトカバー)

  • カトリック中央協議会 発行

  • ISBN978-4-87750-211-9 /Cコード:C0016


(イエスは)天を仰いで深く息をつき、その人に向かって、「エッファタ」と言われた。これは、「開け」という意味である。
すると、たちまち耳が開き、舌のもつれが解け、はっきり話すことができるようになった。
(マルコによる福音書7章34―35節)

バチカンで2009年に保健従事者評議会主催により開催された、ろう者をめぐる画期的な国際会議の講演録。
ろう者、聴者それぞれを含め、司牧者、カテキスタ、教育者、医師、そして一般の生活者など、さまざまな立場からの発言を収め、ろう者の抱える信仰上の諸問題を示すとともに、信仰の視点を通して、その生活や教育における問題をも浮き彫りにする。

巻末には、会議の結論として教会に具体的な取り組みを促す12項にわたる勧告も収録。

開かれて生きるために──英 隆一郎
イエスが「エッファタ(開け)」と言われて、ろう者は開かれた人生を歩むことができるようになった。
開かれるというのは、現代においてどういうことだろうか。
この本には、現代のろう者がどのように教会生活を生きているかが記されている。
その独自性と多様性には驚かされる。
ろう者には特有の文化(特有の言語と共同体など)があり、その文化を大切にしながら、聴者と共生できる教会生活を望んでいる。
この本を通して、聴者の教会生活が問われているように思う。
私たちが開かれて生きるとはどういうことか、ぜひ一読して見つめ直してもらいたい。

初版発行:2018年2月20日

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もくじ


教皇ベネディクト十六世との謁見にあたってのあいさつ
教皇ベネディクト十六世の謁見の場でのことば

エッファタ! 教会共同体のろう者
 ジグムント・ジモフスキ大司教による開会のあいさつ
 ハビエル・ロサーノ・バラガン枢機卿あいさつ
 パトリック・A・ケリー大司教あいさつ


第一章 世界のろう者──過去から現代まで
1 世界のろう者──過去から現代まで サビーノ・G・カスティリオーネ
2 教会共同体におけるあるアメリカ人ろう者 パトリック・グレイビル
3 ろう者の心理的世界 マリアン・バース、コンスエロ・マネロ・ソト

第二章 聴覚障害の医学的側面
1 聴覚障害の医学的側面 マリア・アントニア・クラヴェリア・ピュイ
2 ろうの医学的側面──心理学 マルセル・ブロースターハイゼン
3 共通のテーマでの六つの証言「沈黙の世界からの諸経験」
3・1 先天性ろう マルコ・ラディーチ
3・2 医学、技術の介入がもたらす聴覚障害者の生活の質の改善への新しい可能性 フランス・コーニンクス
3・3 インドネシアのウォノソボにてろう者を教える宗教科教師としての経験 アントニー・アルダティン
3・4 わたしの個人的経験と司牧経験 ハイメ・グティエレス・ヴィジャヌエヴァ
3・5 ある芸術家 サンデル・ブロンデール
3・6 信仰生活におけるカトリック信者のチャレンジ ジェニファー・ング・パイク・イェン

第三章 家族とろう者
1 家族とろう者 マウラ・バックリー
2 共通のテーマでの三つの証言「ろう者とその家族──夫婦の経験」
2・1 アルビエーロ家の経験 フランコ・アルビエーロ、リタ・ステージ
2・2 ラマーノ家の経験 ルカ・ラマーノ、キアラ・シローニ
2・3 コマツェット家の経験 アレサンドロ・コマツェット、マノラ・シミオナート
3 家族とろう者──考察と提案 ホセ・ギエルモ・グティエレス・フェルナンデス

第四章 ろう者の司牧
1 ポーランドにおける司祭による聴覚障害者の司牧──特別な対応が必要な新領域 カジミエラ・クラコヴィアック
2 共通のテーマでの六つの証言「司牧の経験」
2・1 一司教 パトリック・A・ケリー
2・2 行って、福音をのべ伝えなさい、ろう者を含むすべての人に ポーフェリオ・ガロン
2・3 ろう者の司牧における司祭としてのわたしの生活と経験 シリル・アクセルロッド
2・4 行ってすべての民を弟子にしなさい ニコル・クラーク
2・5 「沖に漕ぎ出しなさい」──司牧者養成の一つのモデル イアン・ロバートソン
2・6 信仰教育にかかわるろうの修道女 ヴィットリーナ・カルリ
3 教会共同体のろう者 テリー・オメーラ

ジグムント・ジモフスキ大司教による閉会のあいさつ

【付録】会議の結論としての勧告
訳者あとがき