- 今村喜登 著
- 160ページ /文庫本 並製(ソフトカバー)
- 女子パウロ会 発行
- ISBN978-4-7896-0427-7 /Cコード:C0195
大正末期の熊本県人吉の城下町で、バテレン征伐に出かけた若者が逆にキリストのとりこになった。
以後、信仰の道をまっしぐら。
“祈りと労働”と沈黙の生活を70年経た今も、元気いっぱいである。
本書は、トラピストに入るまでの信仰の歩みと、長崎巡礼をし、活気あふれる東京の教会にふれ、修道院に到着するまでの旅路のできごとをいきいきと描く回想記。
初版発行:1994年8月15日
もくじ
その1──バテレン征伐? それはおもしろい
静かな社の森での祈り
はじめて会った日本人のバテレンの笑顔
信仰の相棒がまたひとり増えたぞー
しっかり者の娘さんの友情
思えば不思議な“水の縁”
その2──信じる道、まっしぐら
禁酒・禁煙・禁茶。よし、大いにやりましょう
十二使徒になった、さあ、青年会を作ろう
城山に立ち、キリシタンの殉教を偲ぶ
子安観音に隠された聖母への崇敬
“お役ご免”になった若侍が探した道
その3──旅立ち
幼い日の思い出と祖母の洗礼
生涯をささげて惜しくないもの、見つけた
よし、行こう。トラピストへ!
“ジャンヌ・ダーク”の勇気
決意が堅いほど、鬼の目にも涙…
その4──心に深くきざまれた長崎巡礼
中町天主堂と神父さんの温情
忘れえぬ美しい聖母像
“サンタマリアのご像はいずこ?”
数千人の祈りがひびく浦上天主堂
その5──活気あふれる東京の青年、司祭たち
屈強な青年と“旅は道連れ”
岩下荘一師と喜びに満ちた友人たち
日本公教青年会の楽しい集いで
東京での、託されたひとつの使命
岩上兄妹とのなつかしい日々
別れのことば
その6──いよいよ、ひとりきりの旅に
津軽海峡猛吹雪
我慢、あぶら汗……、万事休す!、の船酔い
その7──雪の原を漕いで“救いの港”へ
ああ、トラピスト、神の家。到着したぞ!
吹雪はなお続いていた
あとがき
著者紹介
今村喜登(いまむら きと)
1899年 福岡に生まれる。
1926年 厳律シトー会(トラピスト)灯台の聖母修道院入会。
1929年 初誓願宣立。
1989年 誓願60周年。