本書は、ミラノ教区大司教C.M.マルティーニ師(現枢機卿)が、1974年の夏に、主に仲間のイエズス会員を対象に八日間の黙想を指導したときの講話を本にしたものである。
内容は、イグナチオの霊操の線に沿ってヨハネ福音書から黙想の素材を選び、一貫してキリストとの人格的な交わり、イエズスとの親しさに重きを置いている。
みことば、光と闇、しるし、信仰、栄光などのヨハネの主題が各黙想にちりばめられており、そのユニークな聖書解釈は黙想者の光となるであろう。
──訳者「あとがき」より
もくじ
第一日目
第一黙想 ヨハネ福音書が目指すもの
第二黙想 ヨハネ福音書の原理と基礎
説教 キリスト者の祈り
第二日目
第三黙想 キリストの敵対者
第四黙想 罪、闇、虚偽、隷属、死
第三日目
第五黙想 世の罪
第六黙想 イエズスの働き、収穫、弟子
説教 最初の弟子たち
第四日目
第七黙想 私たちと共にある神
説教 水、渇き、聖霊
第五日目
第八黙想 イエズスの現存の三様式
第九黙想 信仰について
説教 ナザレでの隠れた生活
第六日目
第十黙想 ヨハネにおける二つの旗
第十一黙想 ヨハネにおける三組の人
説教 謙遜の第三段階
第七日目
第十二黙想 ヨハネによるイエズスの受難
第十三黙想 ピラトの前のイエズス
説教 洗足
第八日目
第十四黙想 しるしを求めて
第十五黙想 すなどりとペトロの努め
あとがき
著者紹介
著者:
カルロ・マリア・マルティーニ(Carlo Maria Martini)
1927年 イタリアのトリノ市に生まれる。
1944年 イエズス会に入会。
ローマ・ビブリコ(教皇庁立聖書研究所)において聖書学を学び、聖書学博士号を取得。
新約聖書学の権威。同行の聖書研究部教授・所長をつとめ、グレゴリアナ大学の総長に就任。
1979年12月29日、ミラノ教区大司教に、1983年2月2日、枢機卿に任命される。
訳者:
松本紘一(まつもとこういち)
1942年 松江市に生まれる。
1964年 イエズス会に入会。
1969年 上智大学卒業。
1974年 司祭叙階。