- 池長潤 著
- 208ページ /四六判 上製(ハードカバー)
- 女子パウロ会 発行
- ISBN978-4-7896-0560-1 /Cコード:C0016
人はなぜ祈るのだろうか。
日本人は、手紙や話の中でよく「お祈り申し上げます」という。
まして、身内が事故や不時の病に見舞われたときなどには、とくになにかわからないけれど大きな力に信頼して、「助けてください、かわりにわたしのいのちを……」などと祈る姿を見かける。
祈る対象は各人違っても、ともかく宗教心があるからなのだろう。
イエズス会士であった著者は、長年イエズス会の霊性を深め、生きてきた体験からこの事を著した。
祈りのかたちだけにとどまらず、神との交わりの世界にまで広げ、カトリックの伝統の中ではぐくまれ、現実に体験されてきた、いまもされている祈りを紹介している。
どのように祈っていいか分からないかたに。
また、神との触れ合いを求め、祈りを幅広く体験して、実践してみたいかたに、参考になる本である。
もくじ
はじめに
第1章 旧約時代の祈りに学ぶ
1.人間の営みとしての祈り
2.祈る心の黄金律
3.堅忍不抜
4.どこまでも神へ
5.とりなし
6.神のみ顔を求めて
7.ひそやかさ
8.神に聴く
9.詩編の世界
第2章 イエスの時代
1.イエスのもたらした祈りの新しさ
2.祈りのモデルとしてのイエス
3.ゲッセマネの祈り
4.大祭司の祈り
5.神に押しかけなさい
6.イエスは祈りを聞き入れられる
7.心と祈り──マリアに倣う
第3 章 初代教会の時代
1.マリアの取り次ぎへの信仰
2.聖霊との交わりと新しい生活
3.パウロのイエス体験
4.パウロの祈り
5.イエスとの出会いへの福音記者ヨハネの招き
6.マタイ福音記者の誘う、イエスとの絆の大切さと日々の交わり
7.弟子とともに生きるイエスを描く、ルカ福音記者
8.ヨハネの体験とその紹介
9.新しい神の民の礼拝
10.初代教会のキリスト賛歌
11.聖体の秘跡と聖体祭儀
第4章 祈りの伝承
1.基本的な祈り
2.親しみやすい祈りの実践
3.特別な祈りの深まり
おわり
著者紹介
池長 潤(いけなが じゅん)
1937年 神戸生まれ。
1952年 六甲学院聖堂で受洗、洗礼名はレオ。
1957年 イエズス会入会。
1959年 初誓願。
1962年 上智大学文学部ラテン哲学科卒業。
1967年 上智大学神学部卒業。
1968年 司祭叙階。
1971年 アメリカ・セントルイス大学で倫理司牧神学修士号取得。
1972年 ローマ・グレゴリアン大学(霊性神学研究)に留学。
1975年 最終誓願宣立。
その後 カトリック教会司牧やイエズス会の修練長、管区長など。
1996年 大司教に叙階される。
1997年 大阪大司教区および大阪教会管区大司教。