- 結城了悟 著
- 160ページ /A5判 並製(ソフトカバー)
- 女子パウロ会 発行
- ISBN978-4-7896-0659-2 /Cコード:C0021
大航海時代とともにマカオやインドのゴアを基地とするポルトガル人の商船は、ぞくぞくと日本にも渡来するようになった。
インドで鹿児島の侍ヤジロウと出会ったフランシスコ・ザビエルは、東洋の文明国とみた日本への宣教を志す。
1549年8月15日、ザビエルは二人の仲間とともに、鹿児島に上陸した。が、日本は戦国動乱の時代である。
織田信長の天下統一の夢は、目前にして破れ、豊臣秀吉の盛衰もまたたくまであった。
そして、徳川の世・・・・・・その間、世界でもまれな、ひどい迫害の連続、為政者の意向に翻弄されるかに見えながら、日本の教会は生き抜く。
──なぜか?
歴史を知ることは、自分を知ることにつながる。
そして、未来を切り拓く力に変えられていく。
初版発行日:2008年10月20日
もくじ
まえがき
1.ザビエルとヤジロウの出会い
2.日本におけるザビエルの足跡
3.ザビエルのあとを受けて、トーレスらの活躍
4.最初のキリシタン大名
5.五畿内の宣教
6.九州でのびる教会
7.長崎開港
8.信長とカブラル
9.巡察師ヴァリニャーノのすぐれたヴィジョン
10.セミナリオの開設と実り
11.長崎が教会の知行地となる
12.天正少年使節の派遣
13.秀吉の初期の好意と、高山右近らの活躍
14.コエリヨの政治介入と秀吉の変心
15.秀吉の禁教令
16.追放される人びとと、潜伏する人びと
17.少年使節らの帰国
18.日本最初の活版印刷
19.秀吉の野望と、フランシスコ会士の来日
20.無意味な侵略戦争のかげに、回心の動き
21.迫害のきっかけ、サン・フェリペ号事件
22.京都から長崎へ、殉教者の歩み
23.二十六聖人の殉教
24.つかのまの平穏
25.家康にとりいるオランダ船の航海士
26.長崎に、独特の文化が栄える
27.キリシタンぎらいの大名による地方の迫害
28.三十万を越えた信徒
29.家康のキリシタンぎらいで、棄教する大名も出る
30.マードレ・デ・デウス号事件と、岡本大八事件
31.しだいに強まる圧迫ち迫害
32.家康の禁教令
33.残酷さをます責め苦と殉教
34.家康の勝利と教会の運命
35.秀忠も迫害を踏襲
36.殉教していく人びとへの教皇のはげまし
37.長崎と江戸の大殉教
38.雲仙のあかし
39.キリスト教根絶をまざす鎖国
40.踏み絵と穴づり
41.島原の乱
42.ポルトガル人追放と長崎出島
43.潜伏キリシタン時代
44.キリシタン狩りと、離島に隠れひそんだキリシタン
45.シドッティの潜入と殉教
46.琉球に待機する宣教師
47.プチジャンと潜伏キリシタンの出会い
48.浦上四番崩れ
49.隠れキリシタン
50.パリ外国宣教会宣教師の活躍
51.プロテスタント教会の渡来と、活発な教育事業
52.憲法による信教の自由
53.女子修道会の来日と、日本人修道会のはじまり
54.軍国主義・国家神道のもとでの苦難
55.太平洋戦争の打撃
56.戦後の自由と再建
57.発展からの停滞
58.公会議の新風は日本にも
59.ローマ教皇の来日
その後(編集部)
人名索引
著者紹介
結城了悟(ゆうき りょうご)
1922年 スペインに生まれる(ディエゴ・パチェコ)。
1939年 イエズス会入会。
1948年 来日。
1978年 日本国籍取得。
現在 長崎 日本二十六聖人記念館に在住。
日本語によるおもな著書:
『長崎への道』
『長崎を開いた人』『長崎の天主堂』『九州キリシタン研究』『九州の古城とキリシタン』『キリシタンのサンタ・マリア』『日本とヴァチカン』『海原のかなた 長崎外国人墓地の碑』他。