まえがき──聖母マリアの教義とは何か
ローマ・カトリック教会へのマリア観への疑いとドグマ
カール・ラーナー『マリア、主の母』について
神学におけるマリア
聖母崇敬のあり方
聖母の現れ
本書の構成
マリアについての疑いのとりあえずの解決
マリアについての信仰の教えの概観──『主の母、マリア』第一章
一、マリア論の前提である「受肉」の神秘について
1 神と世界の関係(創造と恩恵)
2 マリア論の主要なテーマ
「神の母」
「無原罪」と「無罪性」
「処女懐胎」と「乙女としての生涯」
「被昇天」と「救いのとりつぎ手」
二、聖書におけるマリア
偽典と伝説
聖書がマリアについて述べること
三、マリアへの崇敬
聖人崇敬
教会におけるマリア信心の成長
神学におけるマリア──『主の母、マリア』第二章
教会の書なる聖書を開いて
「神学」とは?
「自己譲与」される神
人類の連帯性
神学的人間論のうちで語られるマリア論
マリアと共同体・隣人愛
マリア論の根本理念──『主の母、マリア』第三章
マリア論の核心
「神母性」が根本原理なのか?
マリアとは誰なのか?
成就したキリスト教
マリアにおけるキリスト教の成就
私たちの側に立つ救いの媒介者マリア
イエスとの役割の違い
解説�;;�
聖書におけるマリア
1 マリアは、新約聖書のどこに登場するのか?
2 各福音書でマリアの描き方に違いはあるのか?
新約聖書時代とマリア崇敬の発展
マルコ福音書におけるマリア
マタイ福音書
ルカ福音書
ヨハネ福音書
3 福音書以外の新約聖書にマリアはどのように現れてくるか?
4 新約聖書のマリアについての記述と旧約聖書はどんな関係があるか?
「メシアの母」としてのマリア
「シオンの娘」、救済史におけるマリア
新約聖書のマリアについての神学的見通し
解説�※;�
神学と典礼・霊性の歴史におけるマリア
1 初期キリスト教から教父時代(二〜八世紀)のマリア崇敬
聖書外典とは?
『ヤコブ原福音書』
『ヤコブ原福音書』のマリア像の影響
教父たちのとらえたマリア
四〜五世紀「テオトーコス(神の母)」論争における教父たちの思索
エフェソ公会議におけるテオトーコス
四世紀における「マリアの終生の処女性」問題
マリア崇敬の始まり
女神崇拝とマリア崇敬
マリアのイコンと第二ニケア公会議
2 中世(五〜一五世紀)のマリア崇敬
修道院神学のマリア──栄誉ある女王、あわれみ深い母、キリストと教会を仲介する方
スコラ神学におけるマリア──受肉の尊厳の探求
中世後期神学のマリア──祈りの対象としてのマリア、霊性と批判の間
3 近世(一四九二〜一七八九年)におけるマリア崇敬
宗教改革者たちとマリア崇敬
バロック時代のマリア──栄光を受けられた方、体系的マリア論の始まり
啓蒙主義の時代──批判精神とマリア崇敬の抑制
4 近現代(一七八九年〜)のマリア崇敬
十九世紀のロマン主義・復古的マリア像──無原罪の特権を与えられた救いの主人公
二〇世紀のマリア──新しいヒューマニズムのモデル
第二バチカン公会議後のマリア論
フェミニズムのマリア論
神の母、マリア──『主の母、マリア』第五章
知られていないマリアの生涯の詳細
神の母と成られたマリア
私的な肉親上のことではない信仰と救いの歴史における出来事
神と人間の間に起こる自由の出来事
未定であるドラマの行く末
語られた神の最後の言葉
マリアによって開かれたいつくしみの門
人間の自由を包み込む神の恩恵
私たちの信仰の母マリア
解説��──
「神の母マリア」教義
マリアはなぜ「神の母」と呼ばれたのか?
福音書
パウロ
初期の教父たち
キリスト論論争
ネストリオスの「キリストの母」
エフェソ公会議後の「神の母」マリア
「神の母」教義の意味
乙女なるマリア──『主の母、マリア』第六章
最も古くからの信仰内容
無垢であることと原罪
神母性に結ばれる処女性
なぜに地上の父親を持たないのか?
天からの恵みのゆえに
恵みへのマリアの応答
「乙女」的な精神の態度
マリアの乙女性と私たち
解説�え;�
処女母性
最も古くからの信仰内容
永生の処女性
処女性とキリスト教
「無原罪の御やどり」──『主の母、マリア』第四章
「無原罪」の教義宣言
愛に包まれて据えられた創造の「始まり」
「終わり」も神の愛に包まれている
聖母が受けた恩恵
恩恵は私たちの人生に自由な創造性を与える
解説�エ;�
「無原罪の御やどり」教義の展開
原罪とは何か
「原罪」についての伝統的な定義
ペラギウス論争
原罪教理の解釈問題
無原罪の御やどりの教義の歴史
「無原罪の御やどり」教義の意味
罪なき方マリア──『主の母、マリア』第七章
マリアの生涯の個々の出来事
罪のない人間?
恵みのための罪?
「罪のなさ」は「救いの完成」を意味する
救済された人々の共同体としての教会
日常のうちに隠されたマリアの聖性
時間をかけて悟られた奥義
真剣に受けとめるべき私たちの罪
「罪びとの逃げどころ」であるマリア
マリアの信仰にならって
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罪なき方マリア
信仰の人マリア
信仰と聖性の結びつき
「マリアの生涯の罪のなさ」と「聖性」
信仰と恩恵
被昇天──『主の母、マリア』第八章
マリアについてはほんの少しのことしか知られていない
「神の母」についての信仰の要を聖霊に導かれて知ること
「被昇天」の教義宣言は突然のことではなかった
魂と身体から成り立つ「人間」の完成とは?
「復活」という救済史の最終的な出来事とマリア
マリアの被昇天は私たち自身の希望を語る
「肉」なるもののうちに生きる私たち
マリアにおいて「肉」なるものの救いが始まった
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「聖母被昇天」と人間の最終的希望
教義の歴史──忘れられていたテーマ
「聖母被昇天」教義の意味
マリアの特権?
「被昇天」教義の終末論
恵みの媒介者なるマリア──『主の母、マリア』第九章
私たちにとってマリアとは?
イエス・キリストこそが「媒介者」ではないか?
人間は互いにかかわり合う「協働者」である
教会共同体と「聖徒の交わり」
マリアが媒介者(とりつぎ手)であること
マリアの「フィアット」=永遠のアーメン
聖母と共に私たちに最も身近な最高の恵みを生きる
解説�┬;�
信仰者の霊的母、教会の母、祈りのとりなし手であるマリア
マリアの霊的母性
新しいエバとしてのマリア
キリストの兄弟姉妹である者の母
贖い(十字架)におけるマリアの協力
近現代の教導職による教会の母マリア
十九世紀以降のマリアについての教皇の発言
恩恵の仲介者マリア
第二バチカン公会議
解説��──
聖母マリアをめぐる現代の議論
分裂のもとになったマリア崇敬
プロテスタントとマリア崇敬
カトリック教会におけるマリア信心隆盛の理由
聖書とのつながり
教会論とのつながり
エキュメニズムとマリア
「解放の神学」とフェミニズムの視点
マリアと聖霊とのつながり
マリアへの祈り──『主の母、マリア』第一〇章
参照文献
あとがき