- アントニー・デ・メロ 著 /古橋昌尚 訳
- 318ページ /B6判 並製
- 女子パウロ会 発行
- ISBN978-4-7896-0307-2 /Cコード:C0016
『沈黙の泉』は、師と弟子との間にかわされる218の対話からなるもので、「教えを諭すためではなく、自らを悟りをひらくように」と意図されたものです。
本書も他の著作と同じように「人を神へと近づけるための手段・道具」です。
序より──
『沈黙の泉』の200余りにも及ぶ物語には<グルー 導師>が現われてくるが、同一の人物ではない。
あるときにはヒンドゥー教の導師であったり、禅の老師、道教の賢者であったり、またユダヤ教の教師(ラビ)、キリスト教の修道士、イスラム教スーフィズムの神秘家であったりもする。
本書に収められた話を一つひとつ読んでゆくのに、一分もあれば十分であろう。
読者は師の口から出ることばに出くわして、おそらく面食らい、しゃくにさわったり、あるいはまったくつまらないものだとさえ感じるかもしれない。
なんとも、この本はそんなにたやすく理解できるような本ではないのだ!
この本は教えを諭すためではなく、自ら悟りをひらくようにと意図されて書かれたものである。
その紙面には人間のことばでは伝えることのできない、<知恵>が隠されている。
もくじ
CHAPTER 1──
奇跡 成人 感受 不条理 透明 宗教 霊聖 他
CHAPTER 2──
アイデンティティー 差別 オートメーション 崇拝 他
CHAPTER 3──
あるがまま 表現 発見 受容性 回心 因果 他
CHAPTER 4──
釣り合い 分離 変化 認識 看波 自立 免疫 他
CHAPTER 5──
思想 啓示 善徳 罪 癒し 教養 信念 他
CHAPTER 6──
世評 偶像崇拝 栽培 移りゆき 擬似体験 秘宝 他
CHAPTER 7──
弱点 反対 無限 迫害 表裏一体 超越 悟り 他
著者紹介
アントニー・デ・メロ(Anthony de Mello)
1931年ボンベイに生まれ。
1947年イエズス会に入会。
1961年司祭に叙階。
スペインで哲学、アメリカで心理学を学び、
インドに帰って東洋と西洋の霊性の統合、
心理学とイグナチオ的霊性の統合を試み、
プーナ市で司牧カウンセリング研究所「SADHANA(サダーナ)」を主宰。
神父はこの研究所で祈りのセミナーを開催したり、インド国内ばかりでなく、
各国に招かれ黙想指導、祈りのセミナーなどを中心に活動しました。
1987年ニューヨークで客死。
主な邦訳著書:
『何を、どう祈ればいいか』,
『小鳥の歌』,
『心の泉』,
『沈黙の泉』,『蛙の祈り』,
『ひとりきりのとき人は愛することができる』(女子パウロ会)。