片田舎の村に住む、ある農家のひとり娘 かな は、まだ七歳。とっても働き者。
いつも笑顔で、お母さんのするそうじや洗濯を手伝い、
朝早くから畑に出て野良仕事をしている
お父さんたちのお昼のお弁当も一緒に作り、それを畑に届けます。
畑に残るお母さんとも別れて、ひとりで帰ってきてからは、
留守番をしながら、夕飯のしたくや、おふろわかしをするのです。
毎日通う道の途中にある、お地蔵さんが、かな は大好き。
いつもあいさつし、話しかけます。
かな とかわいい顔をした子どもの姿を石に刻んだお地蔵さんとのおはなし。
著者は、「みんなの顔は、ほほ笑んだり、わらったりするためにある」ことで、
小さいときから、笑ったりほほ笑んだりすることの大切さを
この絵本をとおして伝えようとしています。
初版発行:2018年4月30日
著者紹介
作:帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)
1947年、福岡県生まれ。
東京大学仏文科卒業後、TBSに勤務。
退職後、九州大学医学部に学び、卒業後1979年から1981年、フランスの病院神経精神科で研修。
精神科医。現在、福岡県中間市で、通谷メンタルクリニックを開業。
おもな著書:
『三たびの海峡』(吉川英治文学新人賞)、
『閉鎖病棟』(山本周五郎賞)、
『逃亡』(柴田錬三郎賞)、
『白い夏の墓標』、『ソルハ』、『水神』、『やめられない──ギャンブル地獄からの生還』、『蠅の帝国』、『蛍の航跡』、『天に星 地に花』、『悲素』、
絵本創作民話に『ひかるさくら』、『むらさき色の滝』、『つなみとゴンとコン』など著作多数。
絵:小泉るみ子(こいずみ るみこ)
1950年、北海道美唄市生まれ。
早稲田大学文学部卒業後、絵本、教科書などのさし絵を手がける。
おもな絵本に、子どものころの暮らしと故郷の美唄を舞台にした
北の大地の四季を透明感あふれる大胆なタッチで描いた、
「小泉るみ子四季のえほんシリーズ」の四部作
『わたしの好きな場所』『ふぶきのあとに』『秋は林をぬけて』『カッコウが鳴く日』や、
『バスをおりたら……』、『きかんぼねずみのクリスマス』、
『ふしぎなよる』、『ひかるさくら』、『むらさき色の滝』など多数。
日本児童出版美術家連盟会員。
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